なぜ悪いことをして捕まった人を支援しなければいけないの?

 「障がい者といっても、警察に逮捕される人や刑務所に入るような悪いことをする人になぜ手を差し伸べなければいけないんですか」と疑問に思う人もいるかもしれません。
 障がい者福祉に関わる人からもこのような声を聴くことがあります。
 罪に問われた障がいのある人の中には、悪いことをしている意識がないまま、おなかがすいたから、目の前にある物が欲しかったからという理由で勝手に物を持って行って罪に問われた人もいます。
 明らかに何らかの障がい特性があると思われる人でも、身寄りがなく、社会的に孤立していて、支援の必要性が見過ごされたまま、法に触れる行為をしてしまった人がいます。罪に問われる行動を起こす前の段階で手を差し伸べることができれば刑務所に行かなくてもすんだ人がいます。
 罪に問われた人でも、その後に福祉につながることができれば立ち直れる人がいます。居心地のいい刑務所に戻るためにまた犯罪をするということは、本人にとっても、社会にとっても不幸なことです。
 このような悪循環を断ち切るためにも、福祉の受け皿を
充実させる必要があるのではないでしょうか。

どんな罪で捕まる
障がい者が多いの?

窃盗と詐欺で捕まる人が多くいます。
窃盗といってもおなかがすいたから
目の前のものを盗んだというケースが含まれ、
詐欺といっても、無銭飲食や無賃乗車といった
ケースが含まれています。

罪名(高齢・知的障がい者共に)

第1位

窃盗

第2位

詐欺

犯罪におよんだ動機

 知的障がいのある人が犯罪におよんだ動機(平成18年特別対象者)を見ると「困窮・生活苦」が36.8%と最も多く、高齢者では、「窃盗」の動機は男性が「生活困窮」、女性では「対象物の所有」「節約」が多いと報告されています。
(「犯罪白書平成20年版」「刑事施設、少年院における知的障害者の実態調査について平成18年法務省特別調査」)

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